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マグネシウムと傷病の関係 マグネシウムが不足すると

マグネシウムが不足すると鬱になる?厚労省も認めるマグネシウムと鬱の関係

最終更新日時 : 2025.11.04

マグネシウムは、身体の調子を整えるうえで欠かせないミネラルとされ、神経やホルモンの働きだけでなく、精神的な安定にも深く関係しています。
特に、現代社会ではストレスを抱える人が増えており、気分の落ち込みやイライラといった精神面の不調に悩まされがちです。

そうした中、マグネシウムが不足すると脳や神経がスムーズに働かず、鬱症状のリスクが高まるという考え方が注目されています。
実際、マグネシウムには脳内でリラックス作用をもたらす神経伝達物質の生成をサポートするはたらきがあります。ストレスが多いとコルチゾールというホルモンが増加し、マグネシウムがどんどん消耗されるため、より不足しやすい状況になりやすいです。

本記事では、マグネシウムがメンタルヘルスに及ぼす影響や鬱と関連する理由、そして厚生労働省のガイドラインなどを通じて具体的な摂取方法や生活習慣のヒントを紹介します。日常的に気分の落ち込みや集中力の低下などを感じている人にとって、食事やライフスタイルを見直すきっかけになれば幸いです。

マグネシウムとメンタルヘルスの深い関係とは?

マグネシウムは脳内でセロトニンやGABAをつくる要となり、興奮を抑えて安定したメンタルを保ちます。
不足するとストレス反応が強まり、イライラや眠りの質の低下を招くと指摘されています。

マグネシウムが体内で果たす役割

マグネシウムは、300を超える酵素の機能を支え、エネルギー生成や筋肉の伸縮、血圧維持など幅広い役割を持つ重要なミネラルです。
神経系でも重要な位置を占め、脳内の情報伝達を円滑に行ううえで補酵素としてはたらきます。セロトニンやGABAといった、気分を落ち着ける神経伝達物質の生成にもかかわるため、心の安定をサポートする要素として知られています。

また、マグネシウムはカルシウムと相互に作用し、過剰な興奮状態を抑える仕組みを持ちます。
カルシウムは神経や筋肉を活発にする方向に寄与しますが、マグネシウムは対となる働きで、リラックスを促す方向に機能します。そのためストレス環境が長く続くと、マグネシウム不足が進行し、イライラや不安感が高まる悪循環に陥りやすいです。
こうした点からも、日頃から必要量を確保しておくことが望ましいです。

精神機能とマグネシウムの関係性

セロトニンやGABAなどは「安らぎホルモン」「抑制系ホルモン」とも呼ばれ、精神をリラックスさせたり睡眠の質を高めたりする要素として注目されています。これらを合成する際にマグネシウムは補酵素として働き円滑な合成をサポートします。
十分な量が体内にあると、気持ちが落ち着いてネガティブな感情にとらわれにくくなる可能性が高まります。

逆に不足すると、ストレスを受けた際の体内反応が過剰になりやすいです。
コルチゾールの分泌が増えて交感神経が優位になり、イライラや緊張、集中力の欠如といった状態が起こりやすくなります。睡眠の質も下がりやすくなるため、疲労が回復しづらい状況に陥りがちです。こうしたプロセスが重なることで、気分の落ち込みや鬱症状が深刻化することもあり得るので気を付けて欲しいです。

鬱症状におけるマグネシウム不足の影響

マグネシウムが欠乏すると、憂うつ感や不安感が増し、気分を安定させる物質の生成が妨げられます。
コルチゾールが増えやすい環境になり、軽い落ち込みが長引いて深刻な鬱症状へと発展するリスクが高まります。

マグネシウム不足が引き起こす症状とは?

マグネシウムが足りないと、脳内の神経伝達がスムーズにいかず、イライラや感情の起伏が激しくなることがありますセロトニンの生成量が低下して意欲や集中力が落ち込み、ちょっとしたことにも落胆しやすいといった変化が生じやすいです。これらの症状は、鬱の初期段階と似通った側面を持ち、放置すると悪化するおそれがあります。

身体面にも影響が見られることが多く、筋肉のけいれんやこむら返り、肩や首回りのこり、片頭痛などのトラブルが起こるケースがあります。血圧の乱れや動悸といった循環器系への負担も見過ごせないです。精神的ストレスが体調不良に拍車をかけ、さらにメンタル面が沈み込むというスパイラルが生まれやすい点が、マグネシウム不足の怖さと言えます。

ストレスがマグネシウムの排泄を促進するメカニズム

大きなストレスを抱えると、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの分泌が高まり、身体は緊張状態に備えようとします。こうした状況になると、腎臓からのマグネシウム排泄が促進されるため、不足が深刻化しやすいです。忙しい日々に追われると食生活が乱れがちになり、余計に摂取量が足りなくなってしまう場合もあります。

睡眠不足や生活リズムの乱れが重なると、マグネシウムを補給するチャンスがさらに減少し、心身両面で調子を崩しやすい状態になりやすいです。軽度の症状でも継続すると大きな支障につながる可能性があるため、早めに改善策を取り入れていくことがポイントです。

マグネシウム不足が起こる原因

現代の食生活は精製穀物や加工食品が中心で、海藻や豆類、ナッツなどに含まれるマグネシウムを摂りにくい環境なのです。
さらに、ストレスや飲酒、薬の使用で排出が促され、慢性的に不足しやすい条件も重なります。

食生活の偏りやストレス環境

精製度の高い食品や加工食品が増え、ビタミンやミネラルも減少しやすいといわれています。
例えば白米や食パンなどは、外皮や胚芽が取り除かれているため、マグネシウムを含む成分が大幅に失われます。さらに、インスタント食品やファストフードばかりに頼ると、塩分や糖質は多めでも、マグネシウムの摂取量が不足する可能性が高まっていくので気を付ける必要があります。

ストレスの多い職場や学業などにさらされていると、食欲が乱れたり、ついお手軽な食べ物ばかり選んだりしてしまう傾向が強まります。野菜や海藻、ナッツ、豆類など、マグネシウムを多く含む食材を摂取する機会が少なくなると、不足状態が進んでしまいます。
生活習慣と食習慣の両方を見直すことで、マグネシウム不足から起こるトラブルを防ぐきっかけになります。

特定の疾患や薬物治療との関係性

腎臓の機能が低下している人や糖尿病・高血圧などの既往症を抱える人は、マグネシウムが排泄されやすい状況になりがちです。
利尿剤を使っている場合も、尿量が増えると同時にミネラルを失いやすいです。制酸剤など、一部の薬はマグネシウムの吸収を阻害する性質があり、長期的に服用していると不足が顕著になるケースがあります。

こういった特別な事情がある方は、医師や薬剤師に相談しながら食事やサプリメントでマグネシウムを意識的に補う方法をお勧めします。
病気の治療や薬の効果を最大限に引き出すためにも、栄養バランスをしっかりと整えたいところです。

科学が証明する!マグネシウムと鬱病リスク低下

近年では、マグネシウム不足が鬱症状や頭痛を助長する因子と関連づけられています。
適切に補うと神経の興奮を緩和し、気分安定に貢献しています。
合わせて生活習慣を見直すことで鬱病リスクを抑えられます。

科学的根拠と研究結果

「マグネシウム欠乏症は、神経伝達物質放出や血管収縮などの頭痛を助長する因子と関連している」と厚生労働省のeJIMのホームページでも挙げられている通り、不足がメンタル面の不調に影響する要因が示されています。

「マグネシウム欠乏症は、神経伝達物質放出や血管収縮などの頭痛を助長する因子と関連している」

引用:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』 eJIM

マグネシウムが不足すると脳内の神経伝達がうまくいかず、頭痛や気分障害を起こしやすいという見解が国際的な研究でも示されています。
マグネシウムを補給することでストレスが軽減され、鬱症状や不安感が和らいだという実験データも存在します。また、マグネシウムの適正摂取が鬱症状の軽減に役立つと発表されています。

さらに、メンタルヘルスの専門領域では、栄養面を含めた包括的な治療アプローチが取り入れられつつあります。カウンセリングや投薬と合わせてマグネシウムなどのミネラルを適切に摂取することで、症状の緩和や予防に役立てることができます。
バランスの取れた食事が基本とされるが、普段の食生活だけでは不足しがちな場合は、サプリメントの活用も一つの方法として検討されています。

公的機関のガイドラインと推奨摂取量

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人男性は340~370mg、成人女性は270~290mgのマグネシウム摂取が推奨されています。食事からの摂取が推奨されます。サプリメントを活用する場合は体調や生活習慣に合わせ、必要に応じ血中濃度を測定しながら進めることが勧められます。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」18~64歳の成人男性に340~370mg、成人女性に270~290mgほどのマグネシウム摂取を推奨。

参照:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』 eJIM[補足] 日本人の食事摂取基準(厚生労働省)より

海藻や魚介類、豆類、ナッツ、全粒穀物などを普段の食事に加えると、マグネシウムだけでなく多様な栄養素を一緒に取り入れやすいことが分かっています。

サプリメントを使用する場合は、酸化マグネシウムのように下剤作用が強いタイプを大量摂取すると下痢や腹痛を引き起こす場合があるため、自分に合った製品を選ぶことが大切です。体調や生活リズムに合わせて摂り方を工夫すれば、効率よくマグネシウムを補えます。
医療機関で血中マグネシウム濃度を測定してもらい、適正量を把握するのも安心な方法といえます。

心と体の健康のためにマグネシウムを意識しよう

まとめ
マグネシウムは、心の健康を支える重要なミネラルであり、不足すると気分の不安定や鬱症状の悪化につながる可能性があります。

日常的にナッツ類、豆類、海藻類などの食品を摂取し、健康的な食生活を意識することで、ストレス耐性を高めることができます。
また、適度な運動や規則正しい生活習慣を組み合わせることで、より効果的に心身の健康を維持することが可能です。

マグネシウムを意識した食生活を心がけ、メンタルヘルスを整えましょう。

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