マグネシウムが不足する原因や健康リスクを詳しく解説
~マグネシウム不足の原因が”食生活”にある理由~
マグネシウムを摂取するためには食事による摂取が必要で、海藻類や大豆、雑穀をメインに食事からとる必要があります。しかし、日本人の食生活の中心は洋風化が進んでおり肉料理を中心に食事を行うようになったため、なかなか摂取する機会が減っているといえます。
そんなマグネシウムですが、食事の軸を決めて積極的な摂取を心がければ摂取量は増えていくので、積極的に摂取するためのアドバイスをご紹介します。
マグネシウムが不足しない”理想的”な食生活
マグネシウムを多く含む食事の種類は、主に海藻類、穀物類が主流となります。海藻類では「わかめ」「海苔」「ひじき」、穀物類だと「玄米」「そば」、もちろんその他にも魚介類や豆類、野菜にも多くのマグネシウムが含まれている食材があります。肉類が主流になってしまった日本の食生活を魚類に変えるだけでも、たくさんの栄養素を摂取する機会が増えます。肉類が全て悪いというわけではないのですがバランスを考えて食事を取らなければ、油を多く摂取する結果に陥り、脂肪を過剰に蓄えて肥満傾向になってしまいます。
まずは基礎となるごはんなどの穀物から軸に野菜、乳製品、魚、豆類、果物をバランスよく取り入れることを心がけるとマグネシウムだけではなくすべての栄養素を取り入れる事になります。主食、主菜、副菜を献立に取り入れる努力をすることで、バランスはしっかり取れますので、意識して献立を考えるようにしましょう。
マグネシウムが不足しがちな”現代社会”の食生活
洋風化が進んだ日本の食事は、パンなどの主食品の輸入の幅が広がったことにより、それまで当たり前にあった主食の米から変化が起こりました。中には朝食を取らずに1日の栄養素の摂取量自体が減少傾向になってしまった為、マグネシウム自体の摂取量も減ってしまったと考えられています。
洋風化に伴う食事の傾向は飽和脂肪酸を過剰摂取してしまったり単純に糖質が増加してしまいます。エネルギーが過剰に蓄えられるが栄養素が不足しがちな食生活となってしまっているようです。
マグネシウムが不足すると表れる健康リスクを症状別に解説します
どんな栄養素も不足すると不健康への第一歩になってしまいますが、ここではマグネシウムが不足してしまった時の「低マグネシウム血症」と呼ばれる症状を含め細かく分析して体のそれぞれに現れる症状を解説します。どの症状も人間の健康に著しく影響を与える症状となるので注意が必要です。
頭部にあらわれる健康リスク
頭部に現れる症状としては、偏頭痛のような頭痛の症状が挙げられます。また危険な症状としては、動脈硬化における脳梗塞につながるとされています。
頭痛(偏頭痛)
偏頭痛の要因として考えられるのは、首コリや肩こりにあると考えられています。筋肉の収縮を担うマグネシウムは首コリや肩こりのこわばりを受けて偏頭痛への影響があるとされています。
直接的な要因ではなく筋肉のマグネシウム不足における症状というのは治療の過程で有効な情報となるので積極的に医師に症状を伝えるようにしましょう。
皮膚にあらわれる健康リスク
皮膚に影響する健康リスクとして、代表的な症状としてアトピー性皮膚炎が挙げられます。その他にも乾燥によるかゆみも挙げられます。
アトピー性皮膚炎
慢性的に湿疹が発生する症状です。湿疹には痒みが伴い、アレルゲンなどの刺激が免疫細胞と結びつくことで炎症を引き起こします。
腰・背中にあらわれる健康リスク
症状としては糖質を過剰に摂取することで椎間板の構成物の線維輪が劣化して腰椎がもろくなる腰痛、坐骨神経痛があげられます。
腰痛・坐骨神経痛
腰痛は、骨の代謝や筋肉の収縮を緩める機能が低下することに起こる症状です。
坐骨神経痛は、腰の周りから痺れが来てお尻から臀部、下肢のうしろ面部分に激痛を引き起こす神経症状です。
筋肉にあらわれる健康リスク
症状としては筋肉が良く攣る場合や、痙攣を起こす場合は主な原因としてマグネシウム不足が考えられます。
筋肉の痙攣・足のつり
筋肉の痙攣は、自分の意志に反して筋肉が収縮動作を行う症状です。筋肉のつりによって足がこむら返りを起こしたりする症状も挙げられます。
当てはまる人は要注意!マグネシウム不足とコーヒーの関係性を解説します
カフェインが多く含まれているコーヒーは、摂取したマグネシウムや鉄分を体外に排出する作用があります。コーヒーは食中ではなく食後に飲むと栄養が出て行きづらくなりますので飲み方には注意が必要です。また、マグネシウムが不足してしまうと、体に様々な影響を及ぼすことはわかりましたが、更に細かい影響もあるのでそちらも細かく解説していきます。
”まぶた”がピクピク
筋肉の痙攣と同様に、まぶたがピクピクするのもまた痙攣動作の一つです。これはマグネシウムが不足することで筋肉内部のミネラルのバランスが崩れ、そのサインとしてまぶたの筋肉を痙攣させる動作に表れるのです。
首や肩の”はり”
首コリ、肩コリの原因となる筋肉の収縮によるコントロールはマグネシウムによって行われることがわかっています。このコントロールは血流が悪くなることで起こりうる為、血流が悪くなった際に症状として現れる“はり”はマグネシウム不足の警告のサインであることが考えられます。
心身の疲労感
自律神経が不安定になる原因は、体の交感神経と副交感神経の2つから成り立っている事が証明されています。マグネシウムには交感神経を抑制する働きがある為、それぞれの神経がアクセルとブレーキの役割を担っていると考えると、アクセルを緩める動作としてマグネシウムが必要となります。
血流のコントロールにマグネシウムは不可欠なので血流コントロールに何かおかしなところがあると、心身の疲労にもつながるとされています。
むくみ
体の細胞にあるナトリウムの調整にもマグネシウムはとても重要な役割をしています。体内にある余計な水分がむくみになる為、体の細胞内にあるナトリウムを調整できればむくみ自体も改善される余地があります。
肌の乾燥、かゆみ
マグネシウムと密接な関係にあるアトピー性皮膚炎については説明しましたが、アトピー性皮膚炎の乾燥皮膚の原因とされている、角層細胞の脂質の主成分であるセラミドが肌の水分を繋ぎ止める働きを担っています。
皮膚を守る脂質であるアシルセラミドを繋ぎ止める重要な働きをしているのがマグネシウムであることが日本医療研究開発機構でも証明されており、肌の乾燥、肌の保湿からくるかゆみはアシルセラミドを繋ぎ止めているマグネシウムがとても重要であるとわかります。
手足のしびれ
マグネシウムが神経を伝達する働きに関わっているわけですが、不足してしまうと、末端神経の痺れに繋がるとされています。
のどの渇き
多量のマグネシウムを摂取すると、不要なマグネシウムを体外に排出します。排出されるマグネシウムの他にも水分が多量に体内から失われることになり、水分枯渇から喉の乾きを起こしてしまう場合もあるようです。
眠気
マグネシウムはタンパク質を化学物質に変える働きがあります。その化学物質には眠気を引き起こす作用がある事がわかっており、また神経の興奮を抑えて神経伝達を正常に保とうとする働きを担うマグネシウムは睡眠を誘う眠気を多く引き起こします。睡眠時には問題なく作用しますが、特に活動中の場合は注意が必要です。
理想的な食生活
海藻類、穀物類を軸に考えて食事を摂るようにしましょう。基礎となるごはんなどの穀物。野菜、乳製品、魚、豆類、果物をバランスよく摂取するように心がけると栄養を十分に摂取することが可能であり、ひいてはマグネシウムも不足なく摂取することができるようになります。
マグネシウムを手軽にとる方法
マグネシウム自体が多く含まれる食品をしっかりとること、またマグネシウムサプリメントを摂取するようにしましょう。主に海藻類であればわかめ、ひじき、穀物類であれば玄米やそばを積極的に摂取できれば、マグネシウムも多く摂取することができます。
また経皮吸収が可能なため、お風呂の入浴剤にマグネシウムが含まれている場合は、お風呂に入ることで摂取することが可能です。
まとめ
マグネシウムを摂取するには食事を摂る必要があることがわかりました。食事の洋風化が進んでいる今の日本ではマグネシウム不足が蔓延しており、洋風化による食事は脂肪を多く含む肉類の接種が多くなり、エネルギーが過剰に接種できる反面、体に必要な栄養素やマグネシウムが不足しがちになってしまいます。
マグネシウムが不足してしまうと健康に様々な影響をもたらし、頭部からは偏頭痛、皮膚ではアトピー性皮膚炎、腰や背中からは椎間板の劣化による腰痛や坐骨神経痛が挙げられます。
筋肉を構成する為に必須なマグネシウムが筋肉全域に影響を及ぼすのは当たり前のことで、マグネシウム不足における足のつりや痙攣動作を引き起こすことが証明されています。
カフェインが多く含まれているコーヒーは、摂取したマグネシウムや鉄分を体外に排出する作用があるため、コーヒーと食事の飲み合わせには注意が必要です。
他にも健康に影響を与える症状としては、まぶたがピクピクすることや首や肩の”はり”、むくみ、肌の感想、かゆみ、手足のしびれ、のどの乾きなどもマグネシウムが深く関わっています。
普段からマグネシウムを十分に摂取してこれらの健康リスクを予防しましょう。