血圧を改善し体内時計の調整にも役立つ
マグネシウムが体内時計の調整にも役立っているという研究を、英国のエジンバラ大学が発表した。マグネシウムは、概日リズムを環境の昼夜サイクルに適合させることを助けているという。 夜なかなか眠くならず、朝起きられないという人は、生活リズムが乱れているおそれがある。生活リズムは、細胞内にある1日の活動や休息のリズムをつくる「体内時計」によって調整されている。
体内時計は体の睡眠と覚醒、ホルモン放出、体温調節などさまざまな機能に影響を与えている。夜型の生活をおくっていると体内時計が乱れて不眠が生じやすくなるが、生活リズムが乱れやすいと悩んでいる人は、マグネシウムを含む食品を意識して食べるとよさそうだ。
研究チームは、ヒト培養細胞、藻類、菌類を用いて実験を行い、どの場合に細胞中のマグネシウム濃度が日内サイクルに合せて変化するかを調べた。その結果、マグネシウムが細胞の24時間周期の体内時計に必須であるだけでなく、細胞の代謝にも大きな影響を与えていることを発見した。
細胞内のマグネシウムは、エネルギー燃焼能力にも影響していることも分かった。マグネシウムは食物をエネルギーに変換するのに必須の栄養素で、この生物学的な機能を効果的にコントロールする役割も担っているという。
「体内時計は、健康や生活習慣病の発症などにさまざまなに影響する人間の生命活動の根本的な要素だ。マグネシウムを含む栄養バランスの良い食事が、生活のあらゆる局面に影響を及ぼすことが明らかになった」とエジンバラ大学のガーベン ヴァン オージェン氏は述べている。
Magnesium may modestly lower blood pressure(米国心臓病学会 2016年7月11日)
Effects of Magnesium Supplementation on Blood Pressure(Hypertension 2016年7月11日)
Key role for magnesium in circadian rhythms(エジンバラ大学 2016年4月14日)