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マグネシウムとは?

マグネシウムのおもな働き

マグネシウムのおもな働き

マグネシウムの働き

マグネシウムには体内の酵素反応を助ける働きがあり、約300~600種類以上の酵素反応に関わっていると言われています。

酵素とは?

酵素とは、体の中で起こる化学反応を助けるためのタンパク質の一種で、呼吸をしたり、食べ物を消化したり、食べ物から摂取した栄養素をエネルギーに変えたり、体の機能を調節するのに必要な物質です。
体内には約5000種類の酵素が存在しており、各酵素は一つの働きのみをするスペシャリストで「消化酵素」と「代謝酵素」に分けられます。
酵素が無ければ食べ物を食べても消化できませんし、生命が活動する為に必要なエネルギーを作り出すこともできません。
酵素の中には、補酵素という酵素を助ける物質が無いと機能しないものもあります。
このように人が生命活動を行う為のありとあらゆる化学反応は、酵素や補酵素の働きによって成り立っています。

マグネシウムには、人のエネルギーの源でもある酵素の働きを助ける「補酵素」としての重要な働きや、骨の弾性維持、ホルモンバランスの維持、筋肉の収縮を助ける働きを担うとても優秀な成分なのです。

マグネシウムは補酵素として機能する

補酵素とは、酵素と一緒に働いて体内で起こる化学反応を助ける物質です。
酵素には「自分の形に合った特定の物質にだけ作用する」という特徴があり、1つの酵素に様々な働きがあるのではなく、特定の働きを持つ酵素が数千種類も存在し、それぞれの役割を担っています。

マグネシウムは、体内に存在する約5000種類の酵素の内、約300種類もの酵素を助ける補酵素として機能します。
例えば、カルシウムの吸収を司る酵素はマグネシウムが補酵素となって働きかけることで正常に機能することができます。

また、ATP(エネルギーの単位)はマグネシウムと結合することで「Mg-ATP」となり、Mg-ATPはエネルギーを使う酵素の補酵素として働くことでエネルギー代謝を促進します。
このように、補酵素として多くの酵素を助ける働きや体の機能を維持する重要な役割を担っているのです。

血液の健康とマグネシウム

マグネシウムは血液循環を正常に保ち、血管をリラックスさせるのに必要な栄養素です。
カルシウムの働きと拮抗することで血管の筋肉の収縮をおさえて血管を広げ、血圧を下げる効果や血小板の凝集をおさえて血栓を作りにくくするといった役割も果たしています。
血液を体中に送り出すポンプの役割を果たしている心臓のリズムを整えるのにも役立ちます。
心臓のリズムが整うことで血液が均等に体中に送られるようになり、血液循環が良くなることが期待できます。

マグネシウムは血糖値や血圧を安定させる

高血糖や高血圧は動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、老化を加速させる原因にもなります。
マグネシウムは、インスリンの働きを助けたり、血管を拡張したりすることで、血糖値や血圧をコントロールするのに役立ちます。

骨の健康とマグネシウム

マグネシウムは、骨の健康を保つために欠かせません。
骨は主に、カルシウムやリンなどの「ミネラル」と「 骨基質」というコラーゲン(タンパク質)から出来ており、マグネシウムはリンの中にカルシウムの100/1程度が存在します。

カルシウムは骨の強度を高め、マグネシウムは骨の中に入るカルシウム量を調節する役割を果たします。
マグネシウムを食事から十分に摂取できないでいると骨に貯蔵されたグネシウムが溶け出すことで不足分を補い、同時にカルシウムも一緒に溶け出すことがあります。

骨からマグネシウムが溶け出さないためには、普段から補うことが大切であり、骨の健康を維持し、粗しょう症のリスクを高めない為にも、若いうちからマグネシウムを摂取することが大切です。

マグネシウムは骨の弾性維持を助ける

骨は、カルシウムの他にもマグネシウムやリンなどによって構成されています。
骨の代表的な病気の1つである「骨粗しょう症」は、予防のためにカルシウムの積極的な摂取が重要と言われており、丈夫な骨を作るためにはマグネシウムも必要不可欠です。
カルシウムは骨を硬くしますが、硬いだけではもろさがあり、丈夫な骨にするには骨の弾性や密度を維持することが大切です。

骨の弾性とは?

骨の弾性とは、外からの力によって骨が変形したときに、その力が除去されると元の形に戻る性質のことです。
骨は、体重や筋肉の収縮、衝撃などによって常に力が掛かっており、骨に弾性が無いと力に耐えられず骨折したり変形する可能性があります。
成長や老化、運動や栄養によっても骨量や骨質が変化しますが、骨に弾性があると骨の変化に適応して骨の強度を維持することに繋がります。
他にも、骨は関節や軟骨、靭帯などと連携して体の動きを常に支えており、骨に弾性があると関節の可動域や衝撃吸収などの機能を高めることができます。

マグネシウムは、骨の主成分である「ハイドロキシアパタイト」という結晶に組み込まれる形で存在しており、マグネシウムが多く含まれるとハイドロキシアパタイトの結晶は小さくなり骨の弾性や密度が高まり、不足すると骨折や骨粗しょう症のリスクが高くなります。
硬くて弾性のある丈夫な骨を維持するためにはマグネシウムが不足しないことが大切です。

筋肉の健康とマグネシウム

マグネシウムは筋肉の動きを制御するために、カルシウムと対になって働いています。
カルシウムは筋肉を収縮させるのに対し、マグネシウムは筋肉を弛緩(しかん)させる働きがあります。
筋肉が収縮するとき、脳からの指令で筋小胞体(きんしょうほうたい)という部分からカルシウムが放出され、逆に弛緩するときには放出されたカルシウムが筋小胞体に戻されます。

筋小胞体とは?

筋小胞体とは、筋肉の細胞の中にある小さな袋のようなもので、袋の中にはカルシウムイオンという物質がたくさん入っています。
筋肉が動くとき、筋小胞体から放出されたカルシウムイオンが筋肉の細い糸(アクチンフィラメント)と太い糸(ミオシンフィラメント)の間に入り込み、太い糸が細い糸を引っ張るように動くことで筋肉が短くなり、収縮します。
筋肉が止まるとき、カルシウムポンプという機構の働きによって筋小胞体がカルシウムイオンを取り戻し、カルシウムイオンがいなくなると太い線と細い線が離れ、筋肉が長くなり、弛緩します。

放出されたカルシウムイオンを筋小胞体に戻すための重要な働きを担うカルシウムポンプは、マグネシウムによって活性化されます。
マグネシウムが不足するとカルシウムポンプが正常に働かず、筋肉が収縮したままになり、筋肉の痙攣や疲労の原因になり得るので、体を使う仕事をしている人やアスリートなどは特にマグネシウムを意識して摂取することで筋肉のケアにも役立ちます。

マグネシウムとナトリウムの関係

ナトリウムは食べ物や飲み物から摂取され、主に汗や尿と一緒に体外に排出されます。
健康な腎臓の場合、尿の排出量が正常に調整されるよう体内のナトリウム量が一定になるように維持されており、ナトリウムの摂取量と排泄量のバランスが崩れると体内のナトリウム量に影響を与えます。
マグネシウムは細胞内のナトリウム量を調節し、血液やリンパ液の循環を正常にする働きがあり、利尿作用もあるので体内の余分な水分を排出してむくみ予防にも役立てることができます。

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