マグネシウム欠乏と現代病:あなたの不調の原因は「隠れマグネシウム不足」かも?!

「なんとなく体がだるい」「疲れが取れない」「イライラしやすくなった」「夜中に足がつる」——。
病院で検査をしても異常なしと言われるのに、こうした不調が続いている方は少なくありません。
実はその原因、「隠れマグネシウム不足」かもしれません。
マグネシウムは体内で300以上の生化学反応に関わる必須ミネラルですが、現代の食生活では極めて不足しやすい栄養素です。しかも厄介なことに、血液検査では正常範囲内でも、細胞レベルでは深刻な欠乏状態にあるケースが多いのです。
本記事では、日本人の大多数が陥っている「隠れマグネシウム不足」の実態を、厚生労働省のデータや最新の研究をもとに詳しく解説します。自分では気づきにくい欠乏症状のチェックリストや、現代生活がいかにマグネシウムを奪っているか、そして実際に改善した症例まで、実践的な内容を網羅しています。
「原因不明の不調」に悩む方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
日本人の7割がマグネシウム不足という厚生労働省データ

「日本人はマグネシウムが不足している」——これは単なる健康産業のキャッチコピーではなく、公的な調査データに基づく事実です。
厚生労働省「国民健康・栄養調査」が示す深刻な実態
厚生労働省が毎年実施している「国民健康・栄養調査」によれば、日本人の平均マグネシウム摂取量は以下の通りです:
成人男性の平均摂取量:約240〜260mg/日
成人女性の平均摂取量:約210〜230mg/日
一方、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で推奨されているマグネシウム摂取量は:
成人男性:340〜370mg/日
成人女性:270〜290mg/日
つまり、男性で約100〜130mg、女性で約60〜80mgも不足しているのが現状です。これは推奨量の約70〜80%しか摂取できていないことを意味します。
年代別・性別で見るマグネシウム不足の傾向
国民健康・栄養調査の詳細データを分析すると、特に以下の層でマグネシウム不足が深刻です。
20〜40代の働き盛り世代:外食・中食・加工食品への依存度が高く、マグネシウム摂取量が最も低い傾向にあります。特に単身者や多忙なビジネスパーソンでは、推奨量の60%程度しか摂取できていないケースも珍しくありません。
高齢者(65歳以上):食事量の減少、消化吸収能力の低下、利尿剤などの薬剤使用により、マグネシウムが不足しやすくなります。高齢者の骨粗しょう症や筋力低下の一因として、マグネシウム不足が指摘されています。
若年女性(10〜30代):極端なダイエットや偏食により、マグネシウムを含む多くのミネラルが不足しがちです。月経によるミネラル損失も加わり、慢性的な欠乏状態に陥りやすい層です。
なぜ現代日本人はマグネシウムが不足するのか?
日本人のマグネシウム摂取量は、実は1950年代には推奨量を満たしていました。しかし高度経済成長期以降、食生活の欧米化と食品の精製化が進むにつれて、摂取量は減少の一途をたどっています。
主な要因:
- 主食の変化:玄米から白米へ、全粒粉パンから白いパンへ。精製過程でマグネシウムの80〜90%が失われます。
- 加工食品の増加:インスタント食品、冷凍食品、ファストフードにはマグネシウムがほとんど含まれていません。
- 野菜・海藻摂取量の減少:マグネシウム豊富な食材の摂取機会が減っています。
- 土壌のミネラル枯渇:化学肥料の多用により、野菜そのもののミネラル含有量が50年前と比べて減少しています。
国際比較:日本は先進国の中でも低水準
WHOや各国の栄養調査データを比較すると、日本人のマグネシウム摂取量は先進国の中でも低い部類に入ります。
各国の平均マグネシウム摂取量(成人):
- アメリカ:約350mg/日
- イギリス:約320mg/日
- ドイツ:約380mg/日
- 日本:約240mg/日(男性)
欧米諸国では、全粒穀物やナッツ類の消費が多いこと、サプリメント文化が浸透していることなどが、摂取量の高さにつながっています。
マグネシウム欠乏による身体症状チェックリスト

マグネシウム不足は、明確な症状として現れにくいため「見えない欠乏症」とも呼ばれます。しかし、体は様々なサインを出しています。以下のチェックリストで、あなたのマグネシウム不足度を確認してみましょう。
神経・精神症状
□ イライラしやすい、キレやすくなった
□ 不安感が強い、些細なことが気になる
□ 集中力が続かない、ぼんやりする
□ 気分の浮き沈みが激しい
□ 夜、寝つきが悪い
□ 夜中に何度も目が覚める
□ 朝起きても疲れが取れていない
□ 頭痛(特に片頭痛)が頻繁にある
メカニズム:マグネシウムは神経伝達物質の調整、GABA受容体の機能、セロトニン合成に関わります。不足すると神経が過敏になり、精神的不調として現れます。
筋肉・運動器症状
□ 夜中に足がつる(こむら返り)
□ まぶたがピクピクする
□ 肩こり、首こりがひどい
□ 背中や腰が張る
□ 運動後の筋肉痛が長引く
□ 手足に力が入りにくい
□ 歯ぎしりをしている(指摘された)
□ 顎関節が痛い、口が開けにくい
メカニズム:マグネシウムは筋肉の弛緩に必須です。不足すると筋肉が過度に緊張し、けいれんや痛みを引き起こします。
循環器症状
□ 動悸がする、脈が乱れる
□ 血圧が高め、または変動しやすい
□ 胸が圧迫される感じがある
□ 手足が冷える
□ むくみやすい
メカニズム:マグネシウムは心筋の正常な収縮、血管の拡張、血圧調整に関わります。不足は不整脈や高血圧のリスクを高めます。
代謝・内分泌症状
□ 血糖値が高め、または食後に急上昇する
□ 甘いものが無性に欲しくなる
□ 太りやすくなった、痩せにくい
□ 疲れやすく、慢性的な倦怠感がある
□ 月経前症候群(PMS)がひどい
□ 月経痛が強い
メカニズム:マグネシウムはインスリンの働きを助け、血糖調節に関与します。不足するとインスリン抵抗性が高まり、糖尿病リスクが上昇します。
消化器症状
□ 便秘がち
□ お腹が張りやすい
□ 食欲不振
□ 吐き気を感じることがある
メカニズム:マグネシウムは腸の蠕動運動を促進し、便を柔らかくする作用があります。不足すると便秘になりやすくなります。
骨・歯の症状
□ 骨密度が低下している(検査で指摘された)
□ 骨折しやすい
□ 歯が弱い、虫歯になりやすい
□ 歯周病がある
メカニズム:マグネシウムは骨の構成成分であり、カルシウムの骨への沈着を助けます。不足すると骨粗しょう症のリスクが高まります。
チェック結果の評価
0〜3個:今のところマグネシウム不足の心配は少ないでしょう。ただし予防的な摂取は有益です。
4〜7個:軽度のマグネシウム不足の可能性があります。食事内容の見直しやサプリメント摂取を検討しましょう。
8〜12個:中等度のマグネシウム不足が疑われます。積極的なマグネシウム補給が推奨されます。
13個以上:重度のマグネシウム不足の可能性が高いです。医療機関で血液検査を受けることをお勧めします。
ストレス・加工食品・精製糖がマグネシウムを奪うメカニズム

現代生活には、マグネシウムを体から奪う要因が溢れています。単に摂取量が少ないだけでなく、消費量が増えている点が問題なのです。
① ストレスがマグネシウムを大量消費する
ストレス反応とマグネシウムの関係
ストレスを受けると、体は「戦うか逃げるか」モードに入ります。この時、副腎からコルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンが分泌されます。これらのホルモン合成と分泌には、大量のマグネシウムが必要です。
さらに、ストレス状態では交感神経が優位になり、細胞内からマグネシウムが流出して尿中に排泄されやすくなります。
【エビデンス】
Murck H. Magnesium and affective disorders. Nutritional Neuroscience. 2002;5(6):375-389.
この研究では、慢性的なストレス状態にある人は血中マグネシウム濃度が有意に低く、ストレスとマグネシウム欠乏が悪循環を形成することが示されています。
悪循環のメカニズム
- ストレスを受ける
- マグネシウムが消費・排泄される
- マグネシウム不足により神経が過敏になる
- より強いストレス反応が起こる
- さらにマグネシウムが失われる
この悪循環を断ち切るには、ストレス管理とマグネシウム補給の両方が必要です。
② 加工食品・精製食品がマグネシウムを枯渇させる
精製過程でのミネラル損失
現代の食品加工技術は、食品を「白く、柔らかく、長持ちする」ように変えますが、その過程でマグネシウムをはじめとするミネラルが大量に失われます。
代表的な例:
| 食品 | 精製前 | 精製後 | 損失率 |
|---|---|---|---|
| 米 | 玄米:110mg/100g | 白米:23mg/100g | 約79%損失 |
| 小麦 | 全粒粉:140mg/100g | 小麦粉:23mg/100g | 約84%損失 |
| 砂糖 | 黒糖:31mg/100g | 白砂糖:0mg/100g | 100%損失 |
加工食品に含まれるリン酸塩の問題
多くの加工食品には、保存料や結着剤としてリン酸塩が添加されています。リン酸塩は体内でマグネシウムと結合し、マグネシウムの吸収を阻害します。
リン酸塩が多く含まれる食品
- ハム、ソーセージなどの加工肉
- スナック菓子
- インスタント麺
- 清涼飲料水
- 加工チーズ
- 冷凍食品
これらの食品を頻繁に摂取していると、マグネシウムの吸収効率が大幅に低下します。
③ 精製糖(白砂糖)がマグネシウムを浪費させる
糖代謝にマグネシウムが必要な理由
糖質を体内でエネルギーに変換する過程(解糖系、クエン酸回路)には、多くの酵素反応が関わります。これらの酵素の多くはマグネシウムを補酵素として必要とします。
つまり、糖質を摂れば摂るほど、マグネシウムが消費されるのです。
【エビデンス】
Guerrero-Romero F, Rodríguez-Morán M. Low serum magnesium levels and metabolic syndrome. Acta Diabetol. 2002;39(4):209-213.
この研究では、精製糖の摂取量が多い人ほど血中マグネシウム濃度が低く、メタボリックシンドロームのリスクが高いことが示されています。
甘いものを食べるとさらに甘いものが欲しくなる理由
マグネシウム不足の状態で糖質を摂取すると
- 糖代謝でマグネシウムが消費される
- さらにマグネシウム不足が進む
- エネルギー代謝が低下する
- 疲労感が増す
- 手っ取り早くエネルギーを得ようと甘いものが欲しくなる
- ①に戻る(悪循環)
この悪循環から抜け出すには、マグネシウムを補給しながら精製糖の摂取を減らす必要があります。
④ アルコール・カフェインがマグネシウムの排泄を促進
アルコールの影響
アルコールには利尿作用があり、尿と共にマグネシウムが排泄されやすくなります。また、アルコール代謝自体にもマグネシウムが必要です。さらに、慢性的な飲酒は腸粘膜を傷つけ、マグネシウムの吸収を阻害します。
【エビデンス】
de Marchi S, et al. Renal tubular dysfunction in chronic alcohol abuse. Kidney Int. 1993;43(2):367-373.
カフェインの影響
カフェインもまた利尿作用があり、マグネシウムの尿中排泄を増やします。コーヒーや緑茶を1日に何杯も飲む習慣がある人は、マグネシウム不足に注意が必要です。
⑤ 激しい運動・多量の発汗
運動によって汗をかくと、水分と共にマグネシウムも失われます。特に夏場の激しい運動や、サウナの頻繁な利用は、マグネシウム欠乏のリスクを高めます。
アスリートや肉体労働者は、一般人よりも多くのマグネシウム摂取が必要です。
血清マグネシウム値の検査方法と正常値

自分がマグネシウム不足かどうかを確かめるには、血液検査が有効です。しかし、マグネシウム検査には注意すべきポイントがあります。
血清マグネシウム検査の基礎知識
検査項目名:血清マグネシウム(Serum Magnesium)、またはMg
正常値範囲:
- 一般的な基準値:1.8〜2.6 mg/dL
- または:0.74〜1.07 mmol/L
検査方法
静脈から採血し、血清中のマグネシウム濃度を測定します。多くの場合、電解質検査の一環として実施されます。
血清マグネシウム検査の限界と「隠れマグネシウム不足」
重要な注意点:血清マグネシウムが正常範囲内でも、体内のマグネシウムが十分とは限りません。
その理由は、体内のマグネシウムの分布にあります。
- 骨に約60〜65%
- 筋肉・軟部組織に約27%
- 細胞内液に約7〜8%
- 血清中にはわずか1%未満
つまり、血液検査で測定できるのは、体内総マグネシウムの1%以下なのです。体は血中マグネシウム濃度を一定に保とうとするため、細胞内や骨のマグネシウムが枯渇していても、血清値は正常に保たれることがあります。これが「隠れマグネシウム不足」です。
より正確な評価方法
① 赤血球内マグネシウム測定(RBC Magnesium)
赤血球内のマグネシウム濃度を測定する方法で、血清値よりも細胞レベルのマグネシウム状態を反映します。
正常値:4.0〜6.5 mg/dL(検査機関により異なる)
ただし、一般的なクリニックでは測定できないことが多く、専門的な検査機関への依頼が必要です。
② マグネシウム負荷試験
マグネシウムを静脈内投与し、24時間尿中に排泄された量を測定します。排泄量が少ないほど、体内でマグネシウムが不足していることを示します。この検査は医療機関でのみ実施可能で、日常的には行われません。
③ 臨床症状との総合評価
最も実用的なのは、血清マグネシウム値と臨床症状を総合的に評価する方法です。血清値が正常範囲の下限付近で、かつ前述のチェックリストに多く該当する場合は、「隠れマグネシウム不足」の可能性が高いと判断されます。
検査を受けるべき人
以下に該当する方は、マグネシウム検査を受けることをお勧めします:
- 原因不明の筋肉症状(けいれん、こわばり)がある
- 不整脈や心疾患がある
- 糖尿病またはメタボリックシンドローム
- 慢性的な下痢や消化器疾患
- 利尿剤や抗生物質を長期服用している
- アルコールを多く飲む
- 骨粗しょう症または骨密度の低下
- 片頭痛が頻繁にある
- 不眠症や不安障害
マグネシウム補給で改善した症例紹介

理論だけでなく、実際にマグネシウム補給によって症状が改善した事例を紹介します。
症例① 40代女性:10年続いた片頭痛が劇的改善
背景
Kさん(42歳、会社員)は、20代後半から月に2〜3回の激しい片頭痛に悩まされていました。市販の鎮痛剤は効果が薄く、頭痛外来でトリプタン製剤を処方されましたが、根本的な改善には至りませんでした。
マグネシウム補給開始
統合医療クリニックで血液検査を受けたところ、血清マグネシウム値は1.9 mg/dL(正常範囲内だが下限に近い)。チェックリストでは12項目に該当し、「隠れマグネシウム不足」と診断されました。
クエン酸マグネシウム300mg/日を就寝前に摂取開始。
経過と結果
- 2週間後:頭痛の頻度に変化なし。ただし、寝つきが良くなったと実感。
- 1ヶ月後:片頭痛の発作が1回のみ。強度も以前より軽い。
- 3ヶ月後:片頭痛の頻度が月1回以下に減少。鎮痛剤の使用も激減。
- 6ヶ月後:ほとんど頭痛が起こらなくなり、起きても軽い違和感程度。肩こりも改善。
【科学的根拠】
Mauskop A, Varughese J. Why all migraine patients should be treated with magnesium. J Neural Transm. 2012;119(5):575-579.
この総説では、片頭痛患者の約50%がマグネシウム不足であり、マグネシウム補給により発作頻度と強度が有意に減少することが報告されています。
症例② 30代男性:こむら返りと不整脈が同時に改善
背景
Tさん(35歳、IT企業勤務)は、夜中に足がつって目が覚めることが週に3〜4回ありました。また、時々動悸を感じ、健康診断で期外収縮を指摘されていました。
マグネシウム補給開始
循環器内科で精密検査を受けましたが、重大な心疾患は見つかりませんでした。医師からマグネシウム不足の可能性を指摘され、酸化マグネシウム330mg/日を就寝前に服用開始。
経過と結果
- 1週間後:こむら返りの頻度が週1回程度に減少。
- 2週間後:動悸の自覚症状が減った。
- 1ヶ月後:こむら返りがほぼなくなった。期外収縮も減少(ホルター心電図で確認)。
- 3ヶ月後:症状が完全に消失。血清マグネシウム値も2.3 mg/dLに上昇。
【科学的根拠】
Shechter M. Magnesium and cardiovascular system. Magnes Res. 2010;23(2):60-72.
マグネシウムは心筋の正常な電気活動に不可欠であり、不足すると不整脈のリスクが高まることが確認されています。
症例③ 50代女性:更年期症状とイライラが軽減
背景
Yさん(52歳、主婦)は、更年期に入ってから、ほてり、イライラ、不眠、不安感に悩まされていました。婦人科でホルモン補充療法を勧められましたが、副作用への不安から躊躇していました。
マグネシウム補給開始
栄養療法を行うクリニックで相談し、グリシン酸マグネシウム400mg/日を朝晩に分けて摂取開始。同時にビタミンB群も併用。
経過と結果
- 2週間後:夜の入眠がスムーズになった。
- 1ヶ月後:イライラ感が明らかに減少。家族からも「穏やかになった」と言われる。
- 2ヶ月後:ほてりの頻度が半減。不安感も軽減。
- 4ヶ月後:更年期症状全般が大幅に改善。QOLが向上。
【科学的根拠】
Facchinetti F, et al. Oral magnesium successfully relieves premenstrual mood changes. Obstet Gynecol. 1991;78(2):177-181.
マグネシウムは、女性ホルモンの変動による神経系への影響を緩和し、PMSや更年期症状の軽減に有効であることが示されています。
症例④ 60代男性:高血圧が薬なしで改善
背景
Iさん(63歳、会社経営)は、10年前から高血圧(収縮期150〜160 mmHg)があり、降圧剤を服用していました。しかし薬を飲んでも140台前半までしか下がらず、医師から増量を提案されていました。
マグネシウム補給開始
予防医学に詳しい医師に相談し、まずマグネシウム不足の改善を試みることに。塩化マグネシウムの液体タイプ(デボラ湖由来)を1日10ml、食事に混ぜて摂取開始。
経過と結果
- 2週間後:血圧が平均135/85 mmHgに低下。
- 1ヶ月後:血圧が130/80 mmHg前後で安定。
- 3ヶ月後:医師と相談の上、降圧剤を半量に減量。血圧は125/78 mmHgで安定。
- 6ヶ月後:降圧剤を完全に中止。マグネシウムと食事療法のみで血圧正常を維持。
【科学的根拠】
Kass L, et al. Effect of magnesium supplementation on blood pressure: a meta-analysis. Eur J Clin Nutr. 2012;66(4):411-418.
このメタ分析では、マグネシウム補給により収縮期血圧が平均3〜4 mmHg、拡張期血圧が2〜3 mmHg低下することが確認されています。
症例⑤ 20代女性:慢性疲労と便秘が改善
背景
Mさん(27歳、デザイナー)は、常に疲れている感じがあり、朝起きるのが辛い状態でした。また、3〜4日に1回しか排便がなく、便秘薬に頼っていました。
マグネシウム補給開始
内科で甲状腺機能など様々な検査を受けましたが異常なし。栄養カウンセリングを受け、マグネシウム不足が疑われました。酸化マグネシウム500mg/日を就寝前に摂取開始。
経過と結果
- 3日後:便通が毎日になった。便が柔らかくスムーズに。
- 1週間後:朝の目覚めが良くなった。
- 2週間後:日中の疲労感が明らかに軽減。
- 1ヶ月後:慢性疲労感がほぼ消失。便秘薬も不要に。
【科学的根拠】
酸化マグネシウムは、腸内で水分を引き寄せて便を柔らかくする作用があり、便秘治療薬としても使用されています。また、エネルギー代謝の改善により疲労感も軽減します。
「隠れマグネシウム不足」に気づくことが健康への第一歩

現代日本人の多くが陥っている「隠れマグネシウム不足」。それは単なる栄養不足ではなく、様々な不調や慢性疾患の根本原因となっている可能性があります。
「なんとなく調子が悪い」「病院に行っても原因がわからない」——そんな方は、一度マグネシウムに注目してみてください。食事の見直しやサプリメントによる補給で、驚くほど体調が変わる可能性があります。
あなたの不調の原因は、もしかしたら「隠れマグネシウム不足」かもしれません。今日から、マグネシウムを意識した生活を始めてみませんか?
本記事のポイント:
- 日本人の約70%がマグネシウム推奨量を満たしていない(厚生労働省データ)
- マグネシウム欠乏は多様な身体症状として現れる(チェックリスト参照)
- ストレス、加工食品、精製糖、アルコールなど現代生活がマグネシウムを奪う
- 血液検査が正常でも細胞レベルで不足している「隠れ欠乏」が多い
- 適切なマグネシウム補給により多くの症状が改善する(症例実績多数)