夜中のこむら返りは「電解質不足」が原因? 医学的にわかってきた対策

はじめに|突然襲う激痛、眠りを壊す“こむら返り”という問題
夜中、深く眠っている最中に、ふくらはぎが突然けいれんし、耐えられないほどの痛みに飛び起きる。
寝返りすら打てないほどの激しい筋収縮が数十秒から数分続き、痛みが引いた後も筋肉に強い張りや硬さが残り、翌日まで違和感が続く。
この 「こむら返り(筋痙攣)」 は、多くの人が経験する身近な現象です。
厚生労働省の調査によれば、まず以下のような傾向があります。
- 中高年の約4割が月1回以上の頻度で経験
- 高齢層(65歳以上)では約60%が「悩み」と回答
- 夜間の発生が圧倒的に多く、睡眠の質の低下を招きやすい
こむら返りは単なる痛みの問題ではありません。
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 睡眠の質の低下 | 深い睡眠(ノンレム睡眠)中の発生が多い |
| 自律神経の乱れ | 交感神経の急上昇により翌日に疲労を残す |
| パフォーマンス低下 | 日中の集中力・体力の低下につながる |
| 慢性ストレス | 眠ることへの不安で悪循環が発生 |
よくあるアドバイスとして、「水分補給」「ストレッチ」「足を温める」などがありますが、それでも まったく改善しない人が一定数存在する ことが現実です。
では、何が本質的な原因なのでしょうか?
近年、医学研究が注目しているのが、筋肉の電解質バランスの乱れ とその中心にある マグネシウム(Mg)不足 の問題です。
そもそもなぜ脚がつるのか? 痙攣が起こる3つのメカニズム

こむら返りは、筋肉が過剰に収縮し、弛緩できなくなっている状態です。そこには明確な生体メカニズムが存在します。
① 筋肉の収縮と弛緩を調整する「Ca」と「Mg」

筋肉は、神経からの電気信号により
- カルシウム(Ca)→ 筋肉を縮める指令
- マグネシウム(Mg)→ 筋肉を緩める指令
という役割で動いています。Mgが不足すると、筋肉が緊張したまま戻れなくなり、痙攣を起こすこの明確な関係が医学的に確認されています。
② 電解質(Mg・K・Ca・Na)のアンバランス
筋肉は、電解質の濃度差によって動作します。
わずかでもバランスが乱れると、神経信号の伝達が不安定となり、痙攣を起こしやすくなります。
特に汗で失われやすい MgとK(カリウム) が不足すると、水を飲んでも改善しない “水中毒型の痙攣” が起きることがあります。
③ 加齢による吸収低下・排泄増加
- Mgは小腸で吸収されるが、年齢とともに吸収率が低下
- 腎臓での排泄量は加齢とともに増加
そのため、40代以降のこむら返り増加には明確な生理学的理由があります。
代人はなぜマグネシウム不足なのか? 背景にある生活習慣

① 食生活の変化と精製食品の普及
Mgは、海藻、雑穀、豆類、ナッツ、野菜に多く含まれますが、さらに、調理によって煮汁に溶出しやすく、摂取量はさらに減少します。
- 白米・白砂糖・精製塩など精製工程で除去される
- 外食中心でMg食品の摂取頻度が低下
- 加工食品・冷凍食品へ依存
② ストレス社会によるMg消費の増加
ストレスホルモン(アドレナリン / コルチゾール)が増えると、
体内のMgが大量に消耗されます。仕事のストレスが多いほど、こむら返りが増える理由は、
精神と筋肉の問題が同時に起きているからです
③ カフェイン・アルコールによる排泄増加
- コーヒー
- エナジードリンク
- 緑茶 / 紅茶
- アルコール
これらは腎臓からのMg排泄を促します。
④ 発汗による電解質ロス
特に増加しているのが汗は 水+電解質の複合体 であり、水だけ飲んでも回復しません。
- サウナ・岩盤浴ブーム
- ランニング・筋トレ
- 夏の猛暑
- 就寝中の寝汗
汗は 水+電解質の複合体 であり、水だけ飲んでも回復しません。水だけ飲むと逆に痙攣リスクが上昇するケース。体液が薄くなりすぎることで、体の信号伝達が乱れ、痙攣が起きやすくなります。重要なのは水ではなく“水+電解質”です。
マグネシウムと筋肉動作の科学

マグネシウムは体内で 300以上の酵素反応 に関与し、神経・血液・エネルギー代謝に不可欠なミネラルです。
主な役割
| 対象 | 役割 |
|---|---|
| 筋肉 | Caの暴走を抑制、筋肉を緩める |
| 神経 | 過敏な神経を安定させる |
| エネルギー | ATP(体内エネルギー)の活性に必須 |
| 血流 | 血管を広げて流れを良くする |
| 自律神経 | 副交感神経の働きを助ける |
つまり、Mgは 筋肉・神経・血流・睡眠の中心軸 を担う物質です
Mg不足によって起きる症状例
- 足がつりやすい
- 足が常に硬く張っている
- 体力回復が遅い
- 睡眠の質が低い
- 便秘・頭痛・倦怠感
ひとつひとつは無関係に見えますが、根本は同じ生理機構です。
どう対策すれば良い? “水+電解質+生活改善” の三位一体

こむら返り対策の基本は以下の3つです。
① 水分補給だけでなく電解質補給を行う
電解質補給の使い分け
| 補給方法 | 特徴 |
|---|---|
| 液体Mg | 吸収が早く、日常的に続けやすい |
| 経皮Mgジェル | 集中ケアに最適、ふくらはぎに直接 |
| 塩+水 | 発汗時に必須(コンディション維持) |
特に夜のこむら返りには、就寝前の液体Mgが有効とされ、
神経の過緊張を和らげ、睡眠リズムを整えるサポートにもつながります。
② 生活習慣の見直し
- カフェイン・アルコールの過剰摂取を控える
- 30秒のふくらはぎストレッチ
- 風呂上がりの軽いマッサージ
- 寝る前の水+Mg
③ 栄養補給と吸収効率の改善
食事だけで必要量を補うことは難しいため“日常摂取+経皮ケア” の併用が最も現実的です。
マグネシウム不足チェックリスト
3つ以上YES → Mg不足傾向の可能性大、こむら返りの発生リスクも高いといえます。

| YES | 項目 |
|---|---|
| □ | 夜中に脚がつることが月1回以上ある |
| □ | ふくらはぎが常に硬い、張りやすい |
| □ | カフェインや酒を毎日摂取する |
| □ | 運動後、水しか飲まない |
| □ | 足先が冷えやすい |
| □ | デスクワークで座りっぱなし |
| □ | 寝汗をかきやすい |
| □ | ストレスが多い |
まとめ:根本の原因にアプローチしよう

夜中に突然おこるこむら返りは、単なる水分不足や運動不足の問題ではなく、電解質バランスの乱れとマグネシウム不足が本質的な原因である可能性が高く、現代社会は Mg不足を加速させる環境 にあります。
痛みを我慢するのではなく、水+電解質+生活改善 の3要素を整えることが根本アプローチです。